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もっか編集中につき
2018年03月03日編集者って、何、している 4
先日、編集者は何をしているかという話のなかで、目次づくりであれこれ提案する、と書きました。
今日は、目次づくりについてお話しましょう。
原稿を書くときでも、講演をするときでも、まずテーマを決めますね。
そのテーマをどう伝えるかというのが、原稿や話の流れです。
そして目次というのは、流れのポイントになる部分です。
流れといっても「はじめ」から「おわり」まで区切りなく、それこそ流れるように連続した文章だと、読む方はかなり疲れます。読んでいるうちに「何を伝えたいんだ? この原稿は」ということになる場合が少なくありません。
それを避けるために、テーマを伝えるために幾つかのポイントに分けて話をすすめるのです。そのポイントが目次(構成ともいえますね)です。
たとえば「わたしとデュクロ」(デュクロというのは私の愛犬の1匹です)というテーマで原稿を書くとします。
伝え方はいくつかあると思いますが。
「わたしとデュクロ」で何が伝えたいのかを考えてみます。
デュクロというベルギーシェパードの雄犬を紹介して、どのように彼と出会ったのかを話し、最初の印象が暮らしをともにすることでどう変化したのかを語り、わたしにとってデュクロがどういう存在になっていったかを伝えたい。
と考えたとしましょう。
それを目次(構成)案にすると、こんな感じでしょうか。
1 デュクロってどんな子
2 出会いは突然
3 知れば知るほど
4 デュクロを通してわたしを知る
こうして原稿の方向がゴチャゴチャにならないように、細かなまとめ記事を繋ぐように構成を考えるのです。
目次(構成)案ができれば、そのひとつひとつの小さなまとまりを書いていきます。
こうしておくと、修正するのも、小さなまとまり記事を整えることに集中できるので、難しくないのです。
最後に、それぞれの小さなまとまり記事がうまく流れているか。それぞれの存在が矛盾していないかを確認して、全体を整えます。
もちろん原稿を書くときは、感情の赴くままに原稿用紙に一気に書き上げることもあります。私の場合は、感情的な文章を、やや冷めた気持ちになってから書くときは、一気に書き上げるスタイルでしょうか。
でも多くの場合は構成を練り上げて、筋道を確認しながら書きます。失敗がないし、書くという作業への抵抗が少ない気がします。
文章を書くことが好きな方も、抵抗を感じない方ももちろん沢山いらっしゃいますが、第三者、不特定多数の誰かに伝える原稿を書くときは、筋道の作りやすい目次(構成)案から考えて、書き始めてみてください。こうすることで、自分の思い込み、分かっていたつもりの曖昧な部分も発見できます。
おためしあれ。
(つづく)
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